神話のふるさと宮崎
神話と伝説

百済王・平家の伝承をめぐる

山の奥深くに残る伝説をたどって色濃く残る文化に心を寄せる
宮崎県北には、ある伝承が残っています。一つ目は、美郷町南郷区に伝わる百済王伝説、二つ目は、椎葉村に伝わる平家落人伝説です。伝承の地をめぐり、誇りを守って生きる人々の思いにふれてください。諸塚村では、パッチワークのような木々の景観を楽しみ、名産のシイタケ採りや畜産などの農家体験も盛りだくさんの旅です。
ストーリー
百済王・平家落人の伝説 山間の里・美郷町南郷区に百済王の伝説が伝わります。西暦660年、唐・新羅と戦い、敗れた百済王族は日本へ亡命を果たします。しけのため日向の浜に流れ着いた一行は、父・禎嘉(ていか)王は南郷へ、息子・福智王は木城町へと逃れたのです。
椎葉村は、壇ノ浦の戦いで敗れた平家一門が落ち延びたといわれています。源氏方・那須与一の弟大八郎が追逃の命を受けますが、ひっそりと暮らす残党たちの姿に心打たれ、やがて平清盛の血縁・鶴富姫と恋に落ちます。帰還の命により、大八郎は鎌倉へと一人帰っていくのでした。作家・吉川英治は「新平家物語」の終盤で、戦のない理想郷として椎葉の地を描いています。
宮崎市からスタート地点まで
■車で
国道10号、327号、446号のルー
トで約2時間。
美郷町南郷区「神門神社」「西の正倉院」 車で約1時間 諸塚村で農家民泊 車で約20分 椎葉村「十根川神社」 車で約20分 鶴富屋敷・厳島神社
貴重な宝物の数々 ここから伝説が始まった
神門神社
百済の国を後に九州を目指したといわれる禎嘉王の一行は、南郷区に落ち延びました。最先端の文化を持ち込んだ王たちは村人に尊ばれ、神門神社に王を祀りました。神社は718年に創建されたと伝わり、古墳時代や奈良時代の銅鏡、多数の鉾など、貴重な宝物が発見されています。毎年旧暦12月18日に近い週末に、親子の再会を描く「師走まつり」が行われています。伝説は、この神社から始まったのです。
住所 東臼杵郡美郷町南郷区神門
フォト&ワンポイント
禎嘉王と、木城町・比木神社に祀られる息子・福智王を年に一度、再会させる祭りです。初日のクライマックス神門神社の迎え火は4mもの火柱が上がります。
神門神社の屋根裏からは、師走まつりの日付が刻まれた1006本もの鉾が発見されました。古くは1457年と明記されています。
正倉院と寸分たがわず同一の建築
西の正倉院
百済王の遺品とされる銅鏡「唐花六花鏡」が神門神社で発見されました。ここから、南郷区の百済王伝説の扉が開きます。この銅鏡が奈良国立博物館に保管されているものと同一だったため、宮内庁の許可を得て「西の正倉院」の建設が叶いました。使われた木材も寸法も、すべて東の正倉院と同じで、完成まで丸十年を費やしたという地域の思いの込められた建物です。神門神社から発見された文化財を展示しています。
住所 東臼杵郡美郷町南郷区神門 TEL 0982-66-3603(美郷町企画情報課) 時間 9:30〜16:30
休日 なし  料金 大人500円、高校生400円、小中学生300円(百済の館と共通)
フォト&ワンポイント
神門神社で発見された「唐花六花鏡」や鉾の展示のほか、「西の正倉院」の建築技術や師走まつりの映像を見ることができます。
隣接する「百済の館」は、韓国最後の都・扶餘(プヨ)の王宮跡に建つ客舎を忠実に復元したものです。百済時代の国宝や歴史を紹介しています。
「恋人の丘」にある一対の鐘は韓国との友好の証に贈られたものです。鐘を大切な人と鳴らすと、絆が深まるという言い伝えがあります。
森の大自然に抱かれた豊かな暮らし
くぬぎの里農家民宿
総面積の95%が山林という諸塚村。北にそびえる諸塚山はイザナキ、イザナミをまつる神陵として崇拝されていました。農家民宿では、大自然の恵みを受けながら守り続けている村の暮らしを体験できます。山の民の弁当箱“めんぱ”作りや、特産の椎茸の採取など、11軒の農林家で心温まるふれあいが待っています。家族とのおしゃべりに山の幸、輝く星たちの美しさも格別です。
TEL 0982-65-0178(諸塚村観光協会)
料金 1泊2食大人5500円、小学生以下5000円、体験のみ1000円〜
フォト&ワンポイント
諸塚村は原木椎茸の産地です。厚みのある椎茸は、歯ごたえプリプリ、ジューシーです。地元では「ナバ」と呼ばれています。
斜面に茶畑が広がっています。お茶の時季には、茶摘みをして、釜煎り茶を作ることも
杉の木と、椎茸の原木となるクヌギの木々が作り出す諸塚の山々の景色は、モザイク林相と呼ばれています。パッチワークのようです。
大八郎手植えの杉は天に届くかのよう
十根川神社
ひっそりとした山奥に、堂々たる姿の杉が、天に届かんばかりに枝を伸ばしています。八村(やむら)大明神十根川神社は、那須家の宗廟として創建されたといわれます。拝殿の奥には、推定樹齢800年、幹周り19mもある巨大な杉(八村杉)があり、那須大八郎お手植えの木と伝えられ、国指定天然記念物に指定されています。周囲の十根川集落も伝統的建造物群保存地区に指定されています。
住所 東臼杵郡椎葉村十根川
フォト&ワンポイント
国の伝統的建築物群保存地区に指定されている十根川集落は、まるで時間が止まったかのような雰囲気。
神社の上に、同じく国指定天然記念物となっている「大久保のヒノキ」があります。樹高32m、東西南北に約30mも枝を伸ばした姿に圧倒されます。
大八郎と鶴富姫の恋物語の舞台
鶴富屋敷・椎葉厳島神社
鶴富姫の屋敷といわれる「鶴富屋敷」は椎葉伝統の民家です。4室と土間が一列に並んでいるのは、斜面をうまく利用するために考えられた知恵といわれています。表には、姫が大八郎のために水を汲んだという「化粧水」も残されています。屋敷に隣り合う丘の上には「椎葉厳島神社」があるのも不思議。平清盛が崇拝した厳島神社の守護神を祀り、大八郎が平家一族のために建立したと伝わっています。
住所 東臼杵郡椎葉村大字下福良1818  TEL 0982-67-2320  時間 9:00〜17:00
休日 なし  料金 大人200円、小中学生100円(椎葉民俗芸能博物館との共通券あり)
フォト&ワンポイント
「鶴富屋敷」は正式には「那須家住宅」と呼ばれ、約300年前の建築とされています。横に長い造りとなっています。
鶴富姫が化粧に使い、大八郎に水を汲んだと伝わる「化粧水」です。鶴富屋敷奥には、姫のお墓も建てられています。
須大八郎が平家残党を哀れみ建立したと伝わる「椎葉厳島神社」。海の神を祀る神社がなぜ山奥に?というロマンがかきたてられます。
おすすめ立ち寄りスポット
湯
南郷温泉「山霧」
百済王伝説を再現した「師走まつり」の日に、神門神社裏から突然湯が湧き出したという伝説ゆかりの温泉。美人の湯と呼ばれ、純和風の露天風呂が落ち着く。
住所 東臼杵郡美郷町南郷区神門151-1
TEL 0982-59-0100
時間 10:00〜20:00
休日 木曜日(祝日の場合は翌日)
料金 一般510円
食
元気・四季を食べる
「どんこ亭」
観光協会のある「しいたけの館21」内にあるレストラン。ランチバイキング800円は、椎茸料理を中心にしたビュッフェ。バター焼きや天ぷらなどが並び、掘りごたつの座敷でいただける。
住所 東臼杵郡諸塚村家代3068
TEL 0982-65-0178
時間 平日11:30〜LO13:30、17:00〜LO20:00、土・日曜は11:30〜LO20:00(ランチは13:30まで)
休日 水曜日(祝日の場合は翌日)
学
椎葉民俗芸能博物館
椎葉の祭りや神楽、伝統農法である焼畑、狩猟の道具や模型が展示され、民謡が聞けるコーナーも。アジア全域の芸能についても知ることができる。
住所 東臼杵郡椎葉村大字下福良1822-4
TEL 0982-68-7033
時間 9:00〜17:00
休日 年末年始
料金 大人300円、高校生200円、小中学生150円
食買う
椎葉村物産センター
「平家本陣」
レストランでは、椎葉の名物「菜豆腐」や10割手打ちそばが付く「椎葉そば定食」800円がオススメ。菜豆腐やカワノリ、マイタケなど、特産品が数多く並ぶ。
住所 東臼杵郡椎葉村大字下福良509-23
TEL 0982-67-3140
時間 売店9:00〜18:00、レストラン11:00〜15:00
休日 年末年始
このページのトップへ